先生不在、独学で力を伸ばすには

前回の記事では、良い先生の探し方について書きました。
良い先生に恵まれれば、自分がやりたいことに対して効率的に練習することが出来て、ぐんぐん腕を伸ばしていけることと思います。

・・・でも、良い先生って中々いないものです。
これが例えば、ピアノとかバイオリンみたいな代表的な楽器だったり、テニスとか野球みたいなメジャーなスポーツだったら、人口が多い分、優れた指導者の方も多いと思うのですが、
ニッチなものになるほど、マイナーになればなるほど良い指導者の方の人数も減っていきます。
他にも金銭的な都合でどうしても先生にお願い出来ない、ということもあると思います。

こうなってくると、自分の力で進める他なくなってきます。
以前イチローさんの本を読んだんですが、イチローさんはここの部分が格段に凄いなと思いました。だからこそ、日本No1の野球プレイヤーになれたんだなと。
そんな文章量がない割にかなりためになる本なので、オススメです。

イチローの流儀 (新潮文庫)

今回の記事では、どういう風に独学で進めていけば良いのかを書いていければと思います。
独学で進めていくには、大きく下記のことが必要だと思っています。

①自分でその分野のことを調べたり、実際少しやってみたりして、その分野を攻略するには何が必要かというのを徹底的に分析する
②分析結果を元に、自分なりの上達論を作る
③練習計画を立てる
④分析と改善を繰り返して練習していく

1つずつ書いていきます。
①自分でその分野のことを調べたり、実際少しやってみたりして、その分野を攻略するには何が必要かというのを徹底的に分析する
そのジャンルを攻略するためには何をやらなければいけないかっていうのを把握していかなければなりません。そのためにまず下調べを行います。
インターネットの普及のおかげで、ここのリサーチの障壁は昔と比べて大分下がったのではないかと思われます。WEBサイトをたくさん見たり、Amazonで本を調べて良さそうなものを買って読んだりしてみて、そのジャンルに関する知識や練習方法を学んでいきます。
以前の記事でも書いたのですが、大学受験の時、私は勉強を始める前に受験の攻略法が書かれた書籍を読みました。

ただ、そのジャンルのことについて自分自身で全くやったことがないと、いくらWEBサイトや本でたくさん勉強しても、何を言っているのか分からなかったりします。
ピアノを全くやったことがない人が、ピアノに関するWEBサイトや本を読んで内容を吸収出来るのか、かなり厳しいと思います。
だから、そのジャンルへの理解を深めるという意味で実際に少しやってみるというのも大事なことだと思います。

②分析結果を元に、自分なりの上達論を作る
①でリサーチを徹底するのは、この②を行っていくためです。なので、①を行う時はいずれこの②を行うんだという意識で行ってみて下さい。
限界的練習の特徴の1つに、「練習方法論が確立されていて、明確に定義された具体的目標がある」というものがありました。

elephantprosody.hatenablog.com


ピアノやバイオリンみたいに練習方法論が確立されている分野なら、その既に作られている練習論に乗っ取って練習していけば良いだけなのですが、
練習論が全然無いもしくはあってもその内容がイマイチなことってざらにあります。
それならば、自分で練習論を作るしかありません。
もちろん、最初からいきなりベストな練習方法を作るのは非常に困難です。
だから最初は間違っても良いので、自分なりに仮説を立てて、このジャンルにはこういう力が必要で、こういう練習が必要だというのを考えます。
私も某音楽ゲームに関してこの練習方法の構築をやっていました。最初は本当に目も当てられないような練習方法でしたが、少しずつ改良を重ねていって、まともな練習方法みたいなのがようやく完成しました。実はここで考えた練習方法はM君に某音ゲーを教えた際の原形だったりします。

③練習計画を立てる
②で練習方法を考えたら、今度はその練習法で練習を行っていったら、目標のレベルに到達するためにどれ位の期間がかかるかというのを算出していきます。
まず、このレベルに到達するためには、この練習をこれ位、あの練習をあれ位するからこれ位の期間が必要だ。次にこのレベルに到達するには・・・みたいな感じで、最終的な目標の前にも、いくつか途中地点での目標を立てます。
英語に関して、私もそれをやっているのでもし良かったら参考にしてみて下さい。

elephantprosody.hatenablog.com

 

ここで大事になってくるのが、他の人がかかった練習時間を参考にして、自分が目標に到達するのにかかる時間の目途を立てることです。
私は英語の勉強でTOEIC900点を目標にしています。英語の勉強法に関しては、英語上達完全マップという、比較的メジャーな練習方法があります。

英語上達完全マップ

英語上達完全マップ―初級からTOEIC900点レベルまでの効果的勉強法


この勉強法を実践している方がいて、その方が費やした勉強時間を参考にしました。

英語上達完全マップを10ヶ月やってみた

この方が約1500時間の勉強で890点とっていたので、1500時間近くやれば900点を取れるだろうと考えました。先程記載した勉強計画はそれを基に立てています。

④分析と改善を繰り返す
③で練習方法論を構築したら、実際に実践をしていきます。
しかしここで注意しなければならないのが、立てた練習方法論が不完全だったり、想定外の問題に当たったりして、必ず壁にぶつかる時がきます。
この時に、「ずっと練習していればいずれ解決するだろう」と思考停止するのではなく、「何が原因なのか、今ぶつかっている壁はどういう練習をすれば抜け出せるのか」っていうのを徹底的に考えていきます。

②で某音ゲーの上達論をM君に教えた時、私はその上達論に自信を持っていました。「この方法さえやれば、誰でも絶対上手くなれる」とさえ思っていました。でも、M君に指導を始めて、いかにその考えが甘いのか思い知らされました。
それこそ、最初の2カ月位はその上達方法が恐ろしい程はまって、えげつないスピードで成長していったんですが、3カ月目位に入って少しペースが落ちてきました。
解決策を考えてそれを実践してもらった結果、その小さなスランプからは抜け出すことが出来ました。
以降、
小さな停滞→改善案→停滞脱出→
小さな停滞→改善案→・・・

っていうのをひたすら繰り返していきました。最初の内は改善案を私が全面的に出していたのですが、M君の実力がつくにつれて自分で考える力がついてきて、段々私が改善案を考える比重は段々減っていきました。私が作った上達法の原形もどんどんアップデートされていって、今はかなりのものになりました。

自分の技術が上がるにつれて分かってくることがあるので、③で考えた上達法を更にバージョンアップさせていくことが非常に重要だな、ということをM君への指導の中で学びました。ここで得られた教訓は本当に大きいです。
壁にぶつかったら打開策を考え、上達方法や練習計画も練り直してっていうのを地道に繰り返していけば、いつか自分に立てた目標に到達出来るもんなんだなと強く思いました。私個人も、今後の英語学習やプログラミング学習に存分に活かしていきたいです。


・・・・・以上が私が考えている、独学での上達法です。
先生がいない状況で練習するのは凄い大変かと思いますが、例え独学だったとしても、上達は決して無理ではないと思っています。
今の私は独学で英語学習をしているのですが、ちょうど上記の方法で行っているところなので、成果が出たらまたぜひ報告させて頂ければと思います!