当書の肝、限界的練習とはその1

今回は、前回の記事で書いた限界的練習の話を書いていきます。
前回の記事の心的イメージ、そして今回紹介する限界的練習の2つが、この本の肝となっています。

「超一流になるのは才能か努力か?」を読んで

 

当書では、多くの人が何かを新しく始めてそれを上達させていく時、漠然と練習をしていってしまうということが書かれています。

この本でも書いてあるのですが、テニスを新しく始めた人を例にしてみます。
テニス部やテニスサークルに入った方がおおよそどんなふうに練習して上達していくかっていうことに関して、よくありそうな流れを書いていければと。

まずはラケットの握り方や振り方を教えてもらって、近距離で手で球出ししてもらったり、ミニテニスをしたりして、少しずつ球感を掴んでいきます。
それが出来るようになってきたら、今後は半面のストレートでラリーをしたり、ラケットで球出ししてもらったりします。それが出来るようになったら、今後はクロスでラリーをしたり、サーブやボレーの練習を始めていきます。
それも出来るようになってきたら、スマッシュの練習をしたり、球出しも3点出しで走りながら打ったりする練習をしていったりします。
一通りのことが出来るようになってきたら、ここからは練習メニューは決まってきて、段々ルーチンみたいな感じになってきます。
ストレートのストローク→クロス→片方ボレー、片方ストロークで打ち合う→片方サーブ、片方ボレー→試合形式

こんな感じのメニューを毎回やっていきます。
これらの練習を一通りこなせる頃には、「テニス」が出来るようになっていくので、楽しむのには十分なレベルになっています。
そして更に上達するために、部活やテニス以外で自分でテニスコートをとって友達と練習したりします。

『テニス楽しいし、もっと上手くなりたい!たくさん練習を積んでいけば上達していけるだろう!』
そんなことを思いつつ、年月をかけて練習していけば、少しずつ年月と共に腕を上げていけるでしょう。

・・・・・サークルだとか部活動の練習とかも基本的にこんな感じかと思います。私もまさしく中高の部活も、大学のテニスサークルもこんな感じでした。
こういう感じで長い期間かけて練習すれば、ある程度のレベルまでいくことが出来るでしょう。

でも、でもなんです。このやり方じゃ、「そこそこ」まではいけても「そこそこ」止まりなんです。個人差はあると思いますが、あるレベルまで到達すると、そこからは横ばいか緩やかな斜め上の成長スピード位でしか上達出来ないでしょう。

そこで、当書では、「目的のある練習」について説明をし、その後に限界的練習について説明しています。
目的のある練習についての特徴は以下の4つと当書で説明しています。

1:はっきりと定義された具体的目標がある
例えばテニスなら、セカンドサーブの練習をしていたとして、
ここのエリア(縦何センチ、横何センチと具体的に決められた領域)に、(弱過ぎる力で狙いにいってはダメで)力7割位で打って10回打って8回入れる
みたいな感じです。

2:集中して行う
1で設定した具体的目標に対して、そこに絞って集中して練習をしていきます。

3:フィードバックをする
先程のセカンドサーブの練習なら、
『10回打って、5回しか入らなかった。コースを外してしまった時はトスが悪くて、打った球がオーバーしてしまっている。なので、トスを気持ち少し前にするようにして、打点を少し前にして打つ』
みたいな反省と改善策の案出しがフィードバックにあたります。

4:居心地の良い領域(コンフォートゾーン)から飛び出すことが必要
先程のセカンドサーブの練習なら、10回打って7回そのエリアに安定して入れられる人がいたとするなら、その人にとっては、
コンフォートゾーン=10回中7回そのエリアに入れられるレベル

ということになります。この人がこれからもずっと同じ広さのコースに10回中7回入れる練習ばっかりしていても、それはコンフォートゾーン内での練習にしかなりません。
なので、
・同じエリアに10回中8回入れるよう練習する
・エリアの範囲を狭くする

みたいに、コンフォートゾーン外の練習をしなければいけません。
自分の今の限界レベルより少しだけ上のレベルの練習をすると良いと当書では記されています。

以上が目的のある練習です。
今思うと、M君に某音ゲーの指導をしていた時は、これらを満たした練習が出来ていました。だからこその、彼の上達の早さだったなと。
でも、当書では、その目的のある練習の更に上をいく限界的練習をあげていて、
それをすることが必要不可欠だと記しています。

ここまででかなりの文量になってしまったので、次の記事で限界的練習について掘り下げて書いていきます。